江戸前

3月13日の月曜日いかがお過ごしでしょうか。

 

昨日は、大谷選手のホームランをご覧になった方も多いのではないでしょうか。

一方で、今日からマスクは個人の判断でOKですよとの事で、(もともと義務化であり絶対ではないが)ノーマスク体制で臨んだら、電車の中で99対1くらいでしたね。笑

 

このマスクをしてない方約1%は(私を含めて)極めて変わっている方が多い様に感じました。一般的に個性的と言われるタイプでしょうか。

 

とはいえ、豊洲市場ではノーマスクの方が多いですが、今や国民病と言われる

花粉症とお付き合いしている方は、外したくても外せない事情があるみたいです。河岸の会話が、マスクをつけている方に「お前花粉症?」って聞いているので、あたかもマスクしたら負け的ないい方でしたので、ある意味集団的強制力ですね。笑

 

 

そんな豊洲市場の今日この頃、今週は江戸前の歴史についてお話をしたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 

 

Qそもそも江戸前ってどこ?

 

この定義は重要で、決まっているのかというと2005年に水産庁が

東京湾全体を江戸前の範囲と定義づけしました。

 

神奈川県三浦半島の剣崎から房総半島の洲崎までの直線で結んだところです

 

しかも、観音崎と富津岬までを直線で結んで南半分を外湾、北側を内湾として

定義しております。

 

地図をのせる機能があれば良いのですが・・・スミマセン。

 

そんな現在ですが、もともとどこだったんだ?

 

渋沢栄一が活躍していた明治のはじめくらいまでは、品川と深川を結んだ

直線を江戸前と言っておりました。随分小さな江戸前ですが、これには訳があって、江戸市中の区分と大きく関係していて、武家、社寺、町方と行政管轄が別々にあって長いこと江戸はどこまで?と確定していなかったみたいです。

 

そんな中1818年に日本橋の市場と芝・金杉市場の間で取引上でもめ事になり、幕府魚役所に<文政二年文書>を出した時の答申書が公式見解として

「品川洲崎の一番棒杭から深川洲崎の松棒杭を結んだ内側を江戸前」と書き記し「一番棒から南側を羽根田海、松杭棒から東側を下総海」と区別したこと。ここに江戸前の基本がある。その根拠にあるのが、江戸御府内のいわゆる墨引きで、江戸市中の区分で四里四方とされる町奉行の支配地域が南端の品川、東端の深川を結んで、江戸前と言ったと思われます。

 

いまでいえば、湘南とはどこからどこまでなんだとの問いと一緒かもしれませんね。こちらも線引きが難しい状況です。

 

Qでは江戸前って何?

 

享保20年(1735年)に今でいう、グルメガイドブック「続江戸砂子温故名跡志」に<江戸前鰺 中ぶくらという>文言が登場し、<江戸前にて漁を前の魚と称して、諸魚共に佳品也>と大絶賛である。

中ぶくらとは、きっと相当太った鰺をさしているものと思われます。

 

しかしながら、江戸前とは「うなぎ」の事を称して言っていた言葉と考えられています。そこには平賀源内さんが大きく関わっていて、源内さんはウナギが大好物だったみたいです。江戸中期の頃(1753年)に書いた談義本に「厭離江戸前大蒲焼」と出てくるのが最初らしく、その30年後くらいには、うなぎ屋さんがガンガン出てきて、看板に「鰻」と書けば良いものを「江戸前大かば焼き」の

暖簾をあげるお店が多かったらしく、幕末の頃には(1852年)「江戸前大蒲焼番附」というものが刊行されるくらい賑わっていたとの事。

 

そのようなことから、江戸前=うなぎ。の認識だったみたいですね。

 

その後大正時代に入り、江戸前のウナギを取りすぎて入荷が激減。江戸前の看板をあげるお店が少なくなり、その江戸前のロゴに寿司を当てた「江戸前寿司」が出てくるようになり、今日の江戸前=すし。となっている。

 

ちなみに明治に入り政府は、東京府の行政区間が伸びたとして多摩川河口と江戸川河口を結ぶ内側を江戸前として呼ぶようになる。

 

とはいえ、<文政二年文書>では、相模走水村洲鼻から上総富津村洲鼻を結んだ内側を内海としていることから、現在にも同じところが東京内湾となっている。

 

ここで漁獲されたものが毎日、日本橋まで運ばれたのであるから

それは大変な賑わいであったと思います。

 

なんて言っても冷蔵庫があるわけでも、氷がめちゃくちゃあった訳でもないわけですから、鮮度が何より大切で、脂があるものは下魚として扱われるのも当然と言えば当然ですね。

 

しかしそれでも足りずに、季節によって外房から東北、近畿、四国、九州と広範囲にわたって入荷したとの記録が残っているのだからこれまたすごいと思います

 

ちょっと長くなりましたが

そのようなわけで、続きはまた明日です。

 

今週もよろしくお願い申し上げます